第5回在日本朝鮮人空手道選手権大会開催
5月22日(日)愛知朝鮮中高級学校 体育館にて、第五回在日本朝鮮人空手道選手権大会が行われた。在日本朝鮮人空手道協会10周年を迎える年に行われる今大会は、7月に中国・鄭州で行われる第10回アジア空手道選手権大会に出場する朝鮮代表候補選手の選抜も兼ねている。
大会には朝高、朝大空手部、一般同胞空手選手、計80名が出場し朝鮮代表候補選手を目指し、白熱した試合が繰り広げられた。祖国で2000年に朝鮮空手道連盟が結成されたのを機に、在日本朝鮮人空手道協会が結成され、同胞空手選手の活躍の場が国際舞台へと広がり、これまで20人の朝鮮代表選手が誕生した。
7月のアジア選手権大会の候補選手を選抜する今大会は国際大会出場を目指し、高級部団体組手と一般体重別組手(男女9階級)に分かれ、試合が行われた。高級部団体競技は団体組手、団体型共に男子は大阪朝高、女子は東京朝高が優勝した。
一般・大学・高校生が出場した一般体重別組手においては無差別級では男子は成瑛基、女子は康永(共に朝大空手部)が優勝し、全9階級の中、6階級を制した朝大空手部の活躍が光った。今後、選手選考が行われ、アジア大会朝鮮代表候補選手が決定する。
大会審判長を務めた諸葛賢空手協会副会長は『大会全般を通してWKF(世界空手道連盟)ルールに応じた選手たちのレベルアップがみられた。国際大会を目指すには、各学校・地域単位で積極的に対外試合に出場し経験を積む必要がある』と感想を述べた。
また今大会は、東日本大震災復興支援チャリティー大会としても行われ、被災地の東北朝鮮初中級学校で空手指導に携わる2名の先生を大会に招待した。現在、東北朝鮮初中級学校には全校生が特別授業で空手を習っている。当協会では被災地で奮闘している当校の空手指導員を激励し、また大会を通して空手協会としても被災地復興支援活動を積極的に行う目的で、仙台から愛知に招待した。2日間にわたり全国の空手指導員、空手協会理事らと共にした崔志学氏(東北初中教育会総務部長)は閉会式で全選手らに向かって、『選手たちの白熱した試合をみて大きな力と感動をもらった。大会を通して見て感じたことを帰ってから学生達に伝え、これからも試練を乗り越え、学校を必ず復旧再建してみせる』と力強く決意を語った。
また閉会式では、在日本朝鮮人空手道協会・曺一会長から2名の先生たちへ義援金が伝達された。曺一会長は『震災後に空手協会として被災地のために何かできないか考えていた。甚大な被害を受けた東北学校で空手指導に携わる先生たちが少しでも力になれたらと思い大会に招待した。
これからも拳道に携わる者として一緒に協力して行きたい』と感想を述べた。また大会では、在日本朝鮮人空手道協会から福島朝鮮初中級学校の拳道クラブにも道衣、防具等を送ることが発表された。